仙腸関節炎とは?
仙腸関節は、骨盤の骨である仙骨と腸骨の間にある関節です。周囲の靭帯により強固に連結されていますが、画像検査ではほとんど判らない程度の2~3mmほどのわずかな動きを有しています。
中腰での作業や不用意な動作、あるいは繰り返しの負荷で関節に微小な不適合が生じてしまい、炎症が起きて痛みが出ることを仙腸関節炎といいます。
仙腸関節炎の症状
主な症状としては腰、お尻の痛みですが、太腿や足に痛みやだるさや痺れが出る事もあります。
症状の例として、下記のようなことが挙げられます。
・椅子に座ると痛い
・仰向けに寝ることができない
・痛い側を下にして寝ることができない
・歩き始めに痛む
・靴下をはくときや顔を洗う時など、前屈みの姿勢になると痛む
仙腸関節炎の原因
仙腸関節炎の主な原因は、日常生活や仕事で仙腸関節に過度の負担がかかることです。具体的には、腰をひねる動作や、脚を大きく前後に開く動作、中腰で物を持ち上げた時などが挙げられます。これらの動作は仙腸関節に偏った力をかけ、炎症が生じることがあります。
また女性の場合、妊娠や出産が仙腸関節炎の一因となります。妊娠中はホルモンの影響で靭帯が緩み、出産時には骨盤が広がるため、仙腸関節に大きな負担がかかります。そのため、仙腸関節が不安定になり、炎症が生じやすくなります。
痛みがあるうちに避けたいこと
日常生活において、仙腸関節に負担のかかることを避けていきましょう。
①重いものを持つことを避ける。
重い荷物を持ち上げたり運んだりすると仙腸関節に大きな負担がかかります。特に「中腰姿勢」は避けましょう。
②長時間同じ姿勢で座ることを避ける。
デスクワークなど、長時間の座り仕事は仙腸関節に負担をかけ、痛みを悪化させる可能性があります。定期的に立ち上がって体を動かすように心がけましょう。
③不自然な姿勢を続けることも避ける。
足を組んで座る、片方の肩にばかり鞄をかけるといった癖は仙腸関節に偏った負担をかけます。日常的に癖になっている方はこれらの習慣を見直すことが大切です。
④激しい運動も避ける。
ジャンプやランニングなど、高負荷な運動は仙腸関節に悪影響を与えることがあります。痛みがあるうちは、ウォーキングやストレッチなどの軽い運動程度に留めておきましょう。
仙腸関節炎はそのまま放置していてもなかなか改善せず痛みが長期化してしまう事があります。長期化してしまうと日常生活や仕事にも影響が出てしまいますので、早め早めに治療していきましょう。